※記事更新日:2024年11月15日
ChatGPTを始めとする生成AIの普及により、AIと英会話を練習できる時代が来ました。
この流れに伴い、数々のAI英会話アプリが世の中に出てきています。
筆者も朝、朝食を作っている間や身だしなみを整えている間にChatGPTと会話しており、そのクオリティには驚くばかりです。
自然な会話が成り立ちますし、適度に質問をしてくれたり、正しい英語で言い直してくれたりします。
このクオリティがあれば「英会話スクールは不要では…?」と考える人が多いでしょう。
今回は、外資系企業で英語を使って日々働いている筆者の観点で、英会話スクールの必要性について考えてみました。
結論としては、「キャリアアップしたいビジネスパーソンには英会話スクールは必要」です。
それではまいります!
筆者:RIO
・大手外資系メーカー マーケティング マネジャー 勤続10年以上
・入社前はTOEIC 935点だったが会社では全く英語が通用せず
・アプリなど様々なツールを駆使して英語を学習
・日本生まれ日本育ちながら英語力を向上させ、現在日々英語を使って仕事を行う
・2児の親
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英会話スクールの必要性は、目的から考える
まず英会話スクールの必要性を考える時、誰にとって/どんな目的に対して必要かどうかを考えるべきです。
それがないと漠然としすぎていて議論のポイントが定まりません。
例えば海外で働くことを目指している人なのか、外国人観光客を相手にしたビジネスを立ち上げた人なのか、年に1回海外旅行をするくらいの人なのか、など様々な人がいるでしょう。
筆者は海外で働くことを目指している人や、外資系企業でキャリアアップしたい人など、キャリア志向のビジネスパーソンは英会話スクールも必要だと思います。
一方、英語を使うタイミングが年に1度の海外旅行や、たまに外国人の友人と会う程度の人であれば、スクールに通う必要性は低いでしょう。
海外で働くことを目指している人や、外資系企業でキャリアアップしたいビジネスパーソンになぜ英会話スクールが必要なのか、以下で話していきます。
ビジネスパーソンには英会話スクールが必要な理由
AI英会話と英会話スクールの違いはなんといっても人との対話かどうかですよね。
海外で働いたり外資系企業で働いたりしている中で、実際に海外のお客様や同僚と会ったとき、この「人との対話経験」がものを言います。
その経験を積むことを含め、英会話スクールの必要性について以下にまとめました。
実際に人と話す緊張感に慣れるため
まずAIと話すのと人と話すのとでは、緊張感が違います。
人と話す際には、相手の表情によって自分の発言が良かったのか悪かったのか考えますし、文法や発音を間違ったらどうしようといった不安や、恥ずかしさがあります。
相手が自分の会社の経営層であったり、お客様である場合、なおさら緊張感が増してきます。
そもそも自分の肌や目の色と違う人と話すというだけでも緊張感を感じる人はいるでしょう。
この緊張感はAI相手には出ないものであり、これに慣れるというのが実際の会話上はとても重要です。
緊張していてうまく言葉が出なかったというのは日本語でもよくありますよね。
緊張感に慣れ、自分のペースで自然体で話せるようになるために、英会話スクールで実際に人と話すのは良い訓練の場になるでしょう。
立ち居振る舞いやジェスチャーを身につけるため
実際に外国籍のお客様や同僚と会った際に、まず何をしますか?
「Hi! Great to see you again!」などと挨拶をしつつ、満面の笑みと共に握手しますよね。
それを違和感なくできるかが第一印象を左右するわけですが、筆者の経験上うまくできない人が多いです。筆者も英語学習初期はぎこちなかったり自信がなかったりしました。
簡単そうに見えて実は難しい、この最初の挨拶。相手の目を見て、満面の笑みで、自信を持って手を差し出す、というのはAI相手では練習できません。
普段の会話でも相手のジョークにうまく反応したり、真剣な顔をして話を聞きつつ適宜質問をして話を盛り上げたりなど、AI相手では難しい立ち居振る舞いがあります。
こういった要素も実際のビジネスシーンでは重要で、英会話スクールに通うことで経験できるでしょう。
相手が間違ったりよくわからないことを言ったりするのに対応できるようになるため
AIと会話していて思うのは、AIはあまりに完璧だということです。
こちらの話をよく聞き、適宜質問をしてくれて、発音もとてもきれい、言うことも至極真っ当です。
実際に人と話しているとそうはいきません。外国籍の人とひとくくりにすることはできず、実際は国籍は様々で、アクセントも様々です。
人なのでたまに間違ったことを言ったり、面白いのかよくわからないジョークを言ったりします。
相手がよくわからないことを言った時どう反応するのか、なんと言って雰囲気を壊さずに会話を続けるのか、実際の会話では気をつけますよね。
こういったその場の空気への配慮はAI相手では起こり得ないでしょう。
英会話スクールではこういった場面への練習にもなります。
英会話講師といえど国籍は様々、アクセントも様々で、たまに間違ったことを言ったり、よくわからないことを言ったりします。
このようなリアルさとそれに対するリアクションを経験できることも、英会話スクールに通うメリットでしょう。
英語の学習を長く続けるため
AI相手の方が隙間時間にできて良い、という意見がある一方で、レッスンの予約を予め入れてしまった方が強制的に学習の時間を取れて良いという人もいるでしょう。
AI相手の学習の場合は、相手の都合を気にする必要はありませんしスマホを使うので、ついついスマホで他のことをしてしまいます。
今は疲れているから、ほかに調べたいことがあるから、買いたいものがあるから・・・などと理由をつけてAIとの英会話を避けることもあるでしょう。
また、スクールなら50分みっちりやるところ、AI相手の会話なら気分で10分で切り上げてしまうことも可能です。
意志を強く持ち習慣化できる人にはAI相手の練習があっていますが、忙しいビジネスパーソンで時間がなかったり常に疲労感がある人は、半ば強制的にレッスンを行うスクール形式の方が長く続けられるかもしれません。
質の良いフィードバックを受けるため
現時点ではAIからのフィードバックよりも人からのフィードバックの方が優れています。
自分の発音の間違いや単語・フレーズのチョイスの偏りなど、英会話講師の方が細部に気づきます。
また、「さっきよりも発音が良くなった」「前回よりも使えるフレーズに幅が出てきた」など、過去との比較はAIはうまくできません。
AIは今後も急速に発展していくでしょうからこのような点は改善されるかもしれませんが、まだまだスクールの方が細かく自分に合わせてフィードバックを得られるでしょう。
タイムパフォーマンスを重視するビジネスパーソンの人はなるべく短時間で深いフィードバックを受ける必要があり、その点はAIより英会話スクールに分があります。
英会話スクールよりもAI英会話アプリを選んだ方が良いケース
では、英会話スクールよりもAI英会話アプリを選んだ方が良いのはどのようなケースでしょうか。
徹底的に話す量を増やしたい場合
話す量が少なすぎて舌が回らなかったり、発音の練習が足りていなかったりして、とにかく話す量を増やしたい場合はAI英会話が向いています。
英会話スクールのレッスンは、実際自分が話す時間はそこまで長くないものです。
レッスンが1回50分だとして自分は半分話すと25分、レッスンが週1回なら1ヶ月で100分しか話さないことになります。
これでは流暢な英語を話せるようにはなりません。
英会話スクールは話す練習というよりも、上記に挙げたような場慣れの効果の方が筆者は重要だと思っています。
話す量の確保は、いつでもどこでもいくらでも話せるAI相手にするのが良いでしょう。
いつまででも付き合ってくれます。
使える単語やフレーズを増やしたい場合や、日本語→英語の瞬発力を上げたい場合
定型の単語やフレーズ、日本語→英語の変換の瞬発力を鍛えるのもAI相手が良いでしょう。
英会話スクールでももちろん単語やフレーズの練習をしますが、時間が限られていますしそこまで多くの種類を学べるわけではありません。
簡単な単語やフレーズにレッスンの時間を割いてしまってももったいないでしょう。
単語やフレーズはどうしても自習する必要があります。
最近ではAIと一緒に単語やフレーズを練習したり、瞬間英作文と呼ばれる日本語→英語の瞬発力を鍛えることができる英会話アプリが増えてきました。
思い浮かんだ日本語を瞬時に英語に変換して話すトレーニングを行える、アルクのトーキングマラソンやプログリットのスピフル、トライズのトラビットはおすすめです。
筆者は過去にトーキングマラソンを使い倒してスピーキング力を飛躍的に上げました。現在はスピフルとトラビットの両方を使っています。
以下の記事でレビューしていますので参考にしてください。
きれいな発音を身につけたい場合
発音を練習してきれいな発音を身につけたい場合も、AI相手の会話が向いています。
最近のAI英会話アプリには、自分の発音を録音してそれを採点してくれるものがあります。
特にシャドーイングを録音してそれを採点してくれるものが多いですね。
人が指摘するほど詳細ではないですが、発音の改善点についても同時に示してくれるので、改善点を意識して何度も練習することができます。
筆者はシャドーイングがお気に入りで、録音・採点機能があるプログリットのシャドテンやトライズのトラビットを使ってシャドーイングの行なって発音を鍛えています。
何度も練習できるこのようなアプリを使うと便利ですよ。
AI英会話アプリは、座学とスクールの間を埋めるもの
AI英会話アプリは座学である程度英語を勉強した人が、アウトプットの量を稼ぐのに向いています。
スクールは実際に英語で人と話すための場慣れが目的になると思いますので、AI英会話アプリは座学と英会話スクールの中間に位置するものかなと感じます。
AI英会話アプリがあるから英会話スクールは不要ということもなく、その逆もありません。
どちらもその意義を理解して活用することが大切ですね。
まとめ | 英会話スクールは不要ではなく、場慣れのために活用できる
まとめると、実際に海外の同僚やお客様とコミュニケーションを行うために、英会話スクールは有効に活用できます。
特に場慣れ感を養うために有効でしょう。
実際に自分と肌や目の色が違う人と話す緊張感に慣れたり、会ったときの挨拶や相手の発言へのリアクションといった立ち居振る舞いに慣れるのに活用しましょう。
AI英会話アプリがいくら発達してもアプリで上記のような経験を積むのは難しく、英会話スクールならではのニーズが存在し続けると思います。
実際に外国の人と話すのに緊張したり、うまく振る舞えない人は、短期間でもいいので英会話スクールに行ってみると良いでしょう。
オンラインでも良いですが、場慣れという意味では対面の方が得るものが多いかなと思います。